学生さんへ

プログラミングの重要性(実験の方も)

ワードを使ってレポートを書いたり、エクセルを使って計算をすることは特に珍しいスキルではありません。そして、紙や鉛筆、電卓を使うよりも圧倒的に効率がいいので、「ワードを勉強して損をした」という人はあまりいません。今後、プログラミングも専門技術というよりはオフィスのような汎用スキルになると思います。というのも、AIやデータ科学の推進とともに仕事のあり方が変わってきていますし、そもそもペーパーレス化に伴い、仕事の中身が変わらなくてもパソコン上で管理すべきデータは増えています。当然、データが増えるとマウスやキーボードを使って、1ファイルずつ手作業で操作することに限界がきます。なので、プログラミング、つまり自動化により、繰り返し作業を効率化することがすごく重要になるはずです。これは、仮に日々の研究でプログラミングが必須でない方にも当てはまると思っています。例えば:

ちなみに、Python、Javascript、Latexなどは全部オープンソースです。つまり、グラフ作成ソフトや画像解析ソフトなどの高価なソフトウェアを買う必要もなくなります。

英語の重要性※

DeepLなど、近年の翻訳ツールの発展には目を見張るものがあります。また、ChatGPTなどを活用すれば、自分で英語を書かなくても、代わりにレポートや論文を(部分的に)書いてくれるツールも登場しています。しかし、そんな中でも、私は英語を勉強することが大切だと思います。機密情報などの話を抜きにしても、まず英語教材のリソースが圧倒的に多いです。例えば「Python パッケージ名」と検索をかけた際に出てくるページ数やYoutubeなどにある解説動画は、英語と日本語で比べ物になりません。また、教科書によっては英語は無料なのに日本語版は有料ということもありますし、論文など、世界の最先端の報告は英語中心です。もちろん全部機械翻訳を通すことも可能ですが、機械翻訳をかける手間も必要ですし、未発表論文や特許、個人情報など、機械翻訳を使えない場面もあります。さらに研究に関して言えば、研究の基本精神は「誰かが言ったことを鵜呑みにするのではなく、自分の眼で真実を確かめること」だと思います。もし翻訳ソフトを通してしか論文を読まない場合は、翻訳を鵜呑みにせざるを得ないので、著者の本来の意図をちゃんと理解できたか、自分で検証できなくなります。英語を使う時間が多ければ多いほど、英語を勉強する費用対効果は高くなりますし、これから英語を使う場面が減るとは思えません。なので、英語を勉強することはこれからも重要だと思います。

※私は帰国子女なので完全にフェアではない部分もありますが、その分日本語で苦労しました。例えば博士論文審査(帰国してから15年以上)の時でも「英語の方が発表うまいね」と言われました。

文献調査の仕方

毎日山のような論文が出版されている現代において、読もうと思っていた論文がどんどん溜まっていくことは往々にしてあります。Natureにあったこちらの記事は、論文の探し方から読んだことの覚え方まで書かれており、研究を始めたばかりの学生さんに役立つと思います。

学会発表の仕方

人前で発表をする時の心構えについて、こちらの記事にすぐに取り入れることができそうな要点(見出しの入れ方、観客に向かって話す、建設的な質疑の姿勢)がまとめられています。

論文の書き方

論文を書くには、自分の独自性や新規性、重要性を主張することが求められます。しかも、それをできるできるだけ主観を排除した、客観的な事実で説明しなければなりません。いつから論文を書き始めるか、どうやったら論文を効率よく書けるかについて書かれた記事がこちらこちらに書かれているので、こちらにリンクを貼っておきます。

それ以外に参考になりそうな情報

  • ポスター発表の仕方
  • 論文著者の決め方
  • 指導教官との付き合い方
  • 境界領域の研究について
  • 熱力学における符号の考え方

    学生さんと熱力学や無機化学の輪読を進める際、符号で混同する方を良く見かけます。例えば、熱力学第一法則は U = Q+W でしょうか。それとも U = Q-W でしょうか。どっちが正しいかは文脈に依ります。外界が系にする仕事をWとするなら、U = Q+W です。逆に、系が外界にする仕事をWとするなら、U = Q-Wです。どっちも正しい時があるということは、教科書に載っている数式を丸暗記しても上手くいきません。そうではなく、数式の言わんとする物理的な意味を考えましょう。Uは内部エネルギーなので、外から仕事をされるならエネルギーは増える(プラス符号)はずですし、外に仕事をするなら内部エネルギーは減る(マイナス符号)はずです。似たような考え方で、ネルンストの式やギブス自由エネルギーと平衡定数の符号なども理解できます。

    独学のすすめ

    最近だとネット上にオンライン講座などが溢れかえっており、時間と労力さえ惜しまなければ何でも勉強できる時代です。しかも、Youtubeなどでは無料でMITやHarvard、Stanfordなどの超名門校の授業が見れます。以下に私が個人的におすすめな講義や教科書を書いておきます。該当分野を勉強したい方にはぜひおすすめです。

    ※いずれも個人的に良かったと思っている教材であり、アフィリエイトではありません。